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東京税財政研究センター事務局

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給与か外注費かの判定とその対応について

1 税務当局の対応

(1)東京局個人課税課速報第28号(給与所得と事業所得との区分)【平成15年7月】の発遣「従来の建設業界の労務費のほか、人材派遣業や有償ボランティアなど新しい労務提供形態が出現している。支払われる対価が給与所得に該当する場合、消費税の課税の要否、労働保険や社会保険料の負担の要否の判定に影響する。また、その判定を巡る争いが生じている。給与所得とその他の所得の区分の基準をまとめたので、審理、調査等の参考にされたい」としている。

(2) 平成16・17年度の課税部門の共通の事務運営方針(東京局)において、「消費税の審理にあたっては、個人事業者及び法人に共通するものがあり、課否判定や簡易課税制度における事業区分などの統一した審理を行う必要性があるので、法人課税部門との審理の統一性の確保に努める」としている。

(3) 東京局、関信局では、建設業界の税務調査において労務費が外注費か給与かの判定を調査のポイントに設定し、法人課税では「重点項目調査」、個人課税では「着眼調査」の対象にしている。一般や特別調査においても重要なチェックポイントになっている。 調査手法としては(1)の課税課速報のマニュアルにより個別判定を行っている。

(4) また最近では先物取引の外務員報酬を給与とされ外注費が否認されている事例も出ている。

(5) 名古屋局や大阪局では、自社の支配下にある従業員をダミーの派遣会社を通したケースで実質判定により大口の脱税が摘発される事例も出てきている。

(6) 今後の課税庁の動向としては、建設業界については他局に波及する可能性が想定されるし、先物取引外交員、不動産外交員はじめ各種外交員や所得税法204条適用者についても当局の判定基準の運用により、給与所得と認定され消費税の課税仕入れを否認されるケースが拡大する恐れがある。


2 給与所得と事業所得の定義と税務当局の見解(法人課税課速報抜粋参照)

(1) 給与所得とは・・・所得税法第28条第1項に規定

(2) 事業所得とは・・・所得税法第27条

(3) 事業所得か給与所得かの定義を巡る判例

(4) 課税庁の見解と対応
@ 所得税法の趣旨、業務、労務の様態、租税負担の公平の観点からの検討する必要があるとしており、具体的には、「自己の危険と計算」、「空間的、時間的拘束」、「非独立的、従属的労働の対価」について、事例に応じて詳細かつ具体的な事実を検討して総合的に判断するとしている。
A 実務上の判定方法としては、消費税法基本通達1−1−1の規定に沿って下記の事項を総合勘案して判断するとしている。 イ 契約の内容が他人の代替を受け入れるか ロ 仕事の遂行にあたり個々の作業にいて指揮監督を受けるかどうか ハ まだ引渡しが終わっていない完成品が不可抗力により滅失した場合において、その者が権利として報酬の請求をなすことができるかどうか 二 材料が提供されているかどうか ホ 作業用具が提供されているかどうか
B 更に判定事項のチェックリストを作成し個別判定を行っている。


4 建設関係労務者の就業実態と諸問題
@ 現場の作業については、事業主や事業主が採用した現場監督等に指示、命令を受けているのが大部分である。
A 現場までの交通費は事業主が所有する車両を利用することが多い。
B 労働保険、社会保険、厚生年金に加入している場合がある。
C 道具や機械は事業主から支給されていることが多い。
D 残業手当をはじめ各種手当てが支給されているケースがある。
E 事業主が所有か賃借している寮等に無償で居住している場合がある。
F 不可抗力等により、労務者が賃金を貰えなかったり、損害を負担する事例はほとんどない。
G 事業主の組織体制に組み入れられている場合がある。
H 事業主が自己の社員(給与所得者)と同じ給与計算書等により賃金を計算している場合がある。
I 労務者は給与所得で申告している場合や、無申告や収入を過小に申告している場合が多い。
J 事業主は労務者にグループ請負をさせ消費税対策を行っている場合があるが、労務者の代表者は2〜3人で消費税の課税事業者になってしまう。


5 税務調査において外注費として仕入れ控除を認めさせるための対策

(1) 三点セットの活用
@ 消費税法基本通達1−1−1の5項目の判定基準をクリアできる内容を盛り込んだ契約書、同意書、覚書等の書面を取り交わすこと。(別紙参照)
A 請求書および領収書を作成してもらい、保存すること。(別紙参照)
B 外注先には事業所得である旨の周知を図ると共に、できるだけ収支内訳書等により計算した事業所得の申告をお願いすること。

(2) 三点セットの作成における留意点
@ 契約日や労務者の住所は採用した日、または事業主が外注費扱いとした時点の日付、住所を記載する。
A 契約書等や請求書は事業主が作成した所定のものでもよいが、住所氏名、現場名、金額は労務者の直筆が望ましい。事業主は印鑑を預からない。
B 請求書には、日給×日数、残業代、交通費、諸手当等の合計額を記載し、内訳は記載しない。請求内容の内訳は「○○月分一式」、「○○現場一式」としてもかまわない。
C 労務者には、趣旨の徹底を図り、確定申告は事業所得として収支内訳書を作成するよう指導することが大切である。
D 収支内訳書の作成ポイント・・・・口頭で説明   


下記をクリックするとPDFにてダウンロードできます。

同意書
請求書


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